
鉄のフライパンは日本製がおすすめ? 公式サイトで確かめられなかったこと
この記事で取り上げる商品

柳宗理(Yanagi Sori) Sori Yanagi 鉄の表面に凹凸があるこびりつきにくいマグマプレート鉄フライパン IH対応 25㎝ 蓋付き 油なじみが良く、熱伝導も早い 左右に張り出した注ぎ口が注ぎやすい 凹凸で表面積が広くなって鉄分の付着や熱伝導がアップ 強火で炒める事ができるので野菜もシャキシャキで料理可能 日本
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鉄のフライパンは、届いてすぐに一枚目を焼く道具ではありません。先に油をならし、使ったあとは火にかけて水気を飛ばします。その手間ごと引き受ける人が選んでいるのが、「日本製がいい」と言われる鉄の一枚です。ただ、日本のブランドであることと、その一枚が日本で作られたことは、別に決まります。ここで比べるのは、その鉄と、海外ブランドの二枚。どちらを買うか考えてみました。
柳宗理の鉄フライパンと、ティファールのインジニオ・ネオ。それに、グリーンパンのヴェニス プロ。日本製として名前がいちばん出ていたのが柳宗理で、海外のブランドで買った人の数が集まっていたのが、あとの二枚でした。
日本製のフライパンを話題にした記事と動画は、25件ありました。そのうち21件が、柳宗理か山田工業所の鉄の話です。「日本製のフライパン」という言葉は、いま、ほとんど鉄に持っていかれています。
三十秒で選ぶなら
分かれ目は一つです。その一枚を、十年単位で持ち続けるつもりがあるかどうか。
①十年単位で一枚を持ち続けたいなら、柳宗理の鉄
②数年で買い替える前提で、こびりつきを先に消したいなら、ティファール
③IHで使うなら、柳宗理かグリーンパン。ティファールのこのセットは乗りません
④どこで作られたかを買う前に確かめておきたいなら、海外の二枚
何年もつかを書いている人はいます。ただし、どれも自分で書いた申告です。
年月を題名に書き残していたのは、五件とも鉄の側でした。長く持つつもりで選ぶなら、柳宗理です。
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「日本製がいい」は、三つある
この言葉は、一つのことを指していません。題名に出てくる語を数えると、三つに割れます。
一つ目は素材です。14件の題名に「鉄」が入っていました。半分より多い数です。日本製を探している人が実際に見ているのは、国より先に、鉄かどうかでした。
二つ目は年月です。「一生モノ」「長年愛用」「7年」「3年」「4年目」。五件が、手元に置いた時間の長さを題名に置いています。
三つ目は手入れです。「使い始め」「手入れ」「油返し」。三件が、手をかける側の言葉を選んでいました。鉄を選ぶと、この手間が代金の一部になります。
そして、八件の題名に「口コミ」か「レビュー」か「本音」が入っていました。使った人の言葉を、買う前に探している人が多いということです。
くっつくかどうかを、そのまま題名で聞いていたものは二件でした。「焦げ付かない?」と「本当にくっつかずに料理できるのか」。二件とも、鉄の側に向けられた問いです。
ところが、どこで作られたかを題名に書いたものは、一件もありませんでした。産地は、いちばん気にされている割に、いちばん書かれていません。
三枚を、同じ物差しで並べられなかった
重さ・内径・深さ・底の厚み。この四つを三枚分並べた表を作ろうとして、ほとんど埋まりませんでした。
数字の出どころは、楽天の商品説明です。そこで三枚分が揃ったのは、熱源だけでした。
柳宗理は、重さが1,190g。六つの店が同じ数字を書いていました。ただし内径も底の厚みも、書いている店がありません。深さと高さは一つの店にしか出ておらず、これを根拠にはできません。
ティファールは、一枚分の数字がそもそもありません。売られているのが9点セットだからです。そのなかの一枚が何グラムかは、どの店も書いていませんでした。
グリーンパンは、商品を一つに絞りきれませんでした。同じ「ヴェニス プロ」という名前で、大きさもセット構成も違うものが並んでいます。数字を拾うことはできても、それがどの一枚のものかを言えません。
題名に産地が書かれていなかったのと、同じことが起きています。良し悪しの話ではなく、確かめられる情報の量の話です。
そのなかで、熱源だけは三枚とも出ていました。そして、ここで差が出ます。柳宗理はIHもガス火もオーブンも通ります。グリーンパンも三つとも通ります。ティファールの公式サイトでは、この9点セットはガス火専用です。IHには乗りません。
台所がIHなら、この一行で一枚が外れます。表のなかで、いちばん先に効く欄でした。
産地を先に書いていたのは、海外の二社だった
ティファールは、公式の仕様欄に生産国を自分から書いています。「フランス、ドイツ、ベトナム、中国等」。産地を先に明かしていたのは、海外のブランドのほうでした。
グリーンパンも、公式のヘルプページに中国で製造していると書いています。ただし、この商品はここ、という書き方ではありません。ブランド全体としての記載です。
柳宗理の公式サイトには、製造国の記載が見つかりませんでした。製造元とされる工場の名前も、公式には出てきません。小売の商品ページやふるさと納税の表記はありますが、それは傍証です。
柳宗理は日本のブランドです。それと、その一枚がどこで作られたかは、別の話になります。ここを一つの言葉でまとめてしまうと、確かめたことになりません。
記載が少ないことは、作りが悪いことではありません。確かめられる情報が少ない、という意味です。そこをどう受け取るかは、買う人の側で決まります。
三枚を、一枚ずつ
値段は動くので、リンク先で確かめてください。ここで見るのは、公式に出ている数字と、題名に残った言葉だけです。
①柳宗理の、鉄の一枚
三枚のなかで、重さが確かめられた唯一の一枚です。IHでもガス火でも使え、オーブンにも入ります。
年月の言葉が集まっていたのは、鉄の側でした。「7年」も「4年目でも現役」も、こちらの話です。手元に置いた時間を、わざわざ題名にしています。
短所は二つ。手入れの手間と、どこで作られたかが公式サイトに書かれていないことです。
②ティファールの、ガス火だけの一枚
外れる条件から書きます。公式サイトでは、この9点セットはガス火専用です。IHの台所なら、ここで終わりです。オーブンには入ります。
生産国は、公式が自分から書いています。買う前に確かめられる一枚だ、という言い方ができます。そのかわり、重さも内径も出てきません。セットで売られていて、一枚分の数字が示されていないからです。
短所は耐久です。二件の題名のうち一件は、「耐久性」と「後悔」を並べていました。もう一件は逆で、「想像を超えた神アイテムだった話」と置いています。二件しかない題名が、耐久への不安と、手に取ったときの驚きに割れました。
ガス火の台所で、数年で買い替える前提で、こびりつきを先に消したいなら、こちらです。
リンク先も、フライパン単体ではなく、鍋やふたの付いた9点セットになります。
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③グリーンパンの、数字が定まらない一枚
IHもガス火も通り、オーブンにも入れられます。熱源では、いちばん制限がありません。重さも大きさも書けません。同じ名前で複数の商品が並んでいて、どの一枚の数字か決められないからです。
短所は、判断の材料が薄いことです。この一枚を題名に置いた記事も動画も、読んだなかに一件もありませんでした。一方で、楽天のレビューは、上位10店の合計で839件集まっています。星を付ける人はいるのに、文章の形では出てきていない、ということです。
年月を書き残していたのは、五件とも鉄だった
分かれ目が出るのは、ここです。題名に年月の言葉があったのは五件でした。「7年使ってみて」「3年使っ」「4年目でも現役」「一生モノ」「長年愛用」。記事と動画の題名に、そう並んでいます。
五件とも、鉄の側です。海外の二枚に、年月を書いたものは一つもありません。手元に置いた時間を書き残す人は、いまのところ鉄の側にしかいませんでした。
ここで、レビューの数を見ておきます。ここまで数えてきたのは記事と動画の題名で、レビューはそれとは別の母数です。星だけを付けた一件も入っています。多いほうが良い、という話でもありません。どれだけの人が言葉を残しているか、という一点だけを見ます。
楽天のレビューは、柳宗理が、この一枚を扱う112店分を合わせて226件、平均4.44でした。ティファールとグリーンパンは、この数え方ができませんでした。上位の店の合計で、ティファールが2店分の340件、平均4.66。グリーンパンが10店分の839件、平均4.64です。同じ商品でも、店ごとに別々に付くからです。
売れている数は、海外の二枚が持っています。年月を書き残す言葉は、鉄が持っています。買うときに見られている数と、あとから書かれる言葉。この二つは、同じ方向を向いていません。
よくある質問
①日本のブランドなら、日本製ですか
限りません。ブランドの国と、作られた国は別に決まります。この三枚でも、公式サイトに製造国が出ていたのは海外の二社でした。
②三枚とも、IHで使えますか
いいえ。柳宗理とグリーンパンは通りますが、ティファールのこの9点セットはガス火専用です。公式サイトにそう書かれています。ガス火は三枚とも通り、オーブンにも三枚とも入ります。
③どこで作られたかは、どこを見れば分かりますか
公式サイトの仕様欄と、公式のヘルプページです。そこに無ければ、小売の商品ページの表記を傍証として扱うことになります。
迷ったら、こう決める
「日本製のフライパンがおすすめ」と書かれた記事の多くは、鉄の話でした。ただし選ぶ一枚は、何年持つつもりかで入れ替わります。
①十年単位で、一枚を持ち続けたいなら
柳宗理の鉄です。年月を書き残していた題名は、すべて鉄の側でした。そのかわり、手入れの手間は付いてきます。
②今の一枚が、滑らなくなってきたなら
ティファールです。生産国も、買う前に確かめられます。ただしガス火に限ります。IHの台所なら、この選択肢は最初からありません。
この二つで決まらないときは、熱源で決まります。IHで手入れの手間も避けたいなら、残るのはグリーンパンです。ただし、書かれた言葉は楽天のレビューしか集まっていません。
この記事が向いていない人
手入れを一切したくない人には、鉄の側は向きません。油をならし、火にかけるたびに乾かす手間が要ります。その手間も、代金のうちです。
日本製であることを、書類やラベルで確かめてから買いたい人にも向きません。この三枚では、公式サイトの範囲で確かめきれない一枚が残ります。
重さや大きさで決めたい人にも、この記事では足りません。三枚分の数字が揃わなかったので、並べて比べること自体ができませんでした。
公式サイトに何が、どこまで書いてあるか。同じ確かめ方は、取っ手の外れるフライパンでも、加湿器でも使えます。今後の記事で、そちらも一つずつ見ていきます。
どこで買うか
日本製を選ぶなら
柳宗理(山田工業所) 柳宗理 鉄フライパン
5,986円(掲載時点の価格。リンク先で確かめてください)
海外製を選ぶなら
ティファール(T-fal) インジニオ・ネオ フライパン
リンク先は、この一枚を含む9点セットです。
【オンライン限定】 ティファール 取っ手のとれる 鍋 フライパンセット 9点 ガス火専用 「インジニオ・ネオ フレーズグレー」 グレー L16199
11,600円(掲載時点の価格。リンク先で確かめてください)
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【参考文献・調査対象】
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